
築50年の公共施設をリノベーションした京都府宮津市のブティックホテル「mizuya」。開業当初は稼働率20%・直販比率20%からのスタートでしたが、開業から1年あまりが経った2026年8月には稼働率が88%まで上昇し、直販比率も約40%と倍増しました。
「ニュートラディショナル」を掲げるこの宿が、どのように成長し、どんな宿を目指しているのか。支配人の筒井さんに伺いました。

mizuyaについて
京都府宮津市に位置するブティックホテル。2025年開業、9室。インタビューしたお相手:筒井章太さん
mizuya支配人。北海道出身。(詳しくはこちら)
「ニュートラディショナル」なブティックホテル
ーーmizuyaのコンセプトについて教えてください。
mizuyaは築50年の公共施設をリノベーションしたホテルです。そのため、この町に50年間根付き、たくさんの人が働き暮らしてきた建物を受け継いでいることをすごく大事にしています。
コンクリートの剥き出しの壁はそのまま、大工さんの手書きメモや手すりも当時のものを使いながら、古臭くならずに現代の価値観の中でモダンなものとして成立させる。土地の文化や歴史、人の思いを再編集・再構築して未来に伝えていく、「ニュートラディショナル」がずっと大事にしているキーワードです。
▼ラウンジにある丹後ちりめんの織機

ーー筒井さんご自身は、どのような経緯でmizuyaの運営に携わることになったのですか?
もともと北海道出身で、東京の広告代理店で働いていたのですが、コロナ禍で担当していた海外事業がダメになってしまって。東京にいてもつまらないし、かといってすぐ海外にも行けない。それなら自分の知らない日本のローカルな場所で何かおもしろいことをやりたいと思って転職活動をしていたら、まちづくりの会社に拾ってもらって、配属されたのが宮津でした。
宮津のコワーキングスペース立ち上げに関わる中で、地域で自分の意思で生きていく人たちにたくさん出会って、自分もその仲間になりたいと思ったタイミングでmizuya支配人着任のお話をいただいた、という流れです。気づいたら宮津での暮らしも5年目になりました。
開業半年までは本当に大変だった
ーー開業当初、直販の状況はいかがでしたか?
正直、最初の3ヶ月〜半年は本当に大変でした。2025年5月に開業して、稼働率は20%くらいからのスタート。そこから徐々に上がっていって半年後にようやく軌道に乗って、平均すると稼働率50%くらいまでは来たんですが、内訳で見ると直販比率はまだ20%程度でした。
残りの8割近くはOTA経由でした。mizuyaはインバウンドのお客様が4割から半分くらいを占めているので、OTAの活用がどうしても必須になってしまうんです。
ーーそこから1年経って、具体的な数値の変化を教えてください。
2026年5月〜8月になると平均稼働率は75〜80%に上がりました。8月は開業以降最高の88%まで到達しています。
直販比率も全体の稼働の中で40%くらいまで上がってきていて、去年の約2倍になりました。稼働率自体が右肩上がりで増えている中で、直販比率も確実に上がっているのだと思います。
▼各客室では抹茶を点てて味わえる

オプションによる体験のパッケージ販売が魅力
ーーCHILLNNの使い勝手について、率直な感想を聞かせてください。
宮津の土地や建物の歴史をはじめ、mizuyaには伝えたいことがたくさんあるんですが、それをメディアとして楽にレイアウトできて、宿の世界観や情報をゲストに伝えやすいデザインになっていると感じています。
なかでも便利だなと思うのはオプションの見せ方です。普通に予約を進めていくと、決済までのステップの中に自然とオプションが積み上がっていく導線になっているので、他のOTAと比べてもCHILLNNのオプションの利用率は明らかに高いです。
サウナやお食事、イベントといった宿発の体験を、ひとつのパッケージとしてまとめて販売できるところに、使いやすさと便利さを感じています。
▼オプション画面の一部

ーーCHILLNN経由のゲストはどんな層が多いですか?
国内のお客様はSNSの口コミきっかけか、事前にmizuyaに泊まりたいと思ってくれた上で最終的にCHILLNNで予約する、というパターンが多いです。
CHILLNN経由のお客様が一番ミスマッチが少ないと感じています。例えばテレビや時計が部屋にない、などのクレームはOTA経由だとたまにありますが、CHILLNN経由だとほとんどないんです。
▼没頭できるプライベートサウナ

直販のみ販売のプラン設計が成功の要
ーー直接予約を伸ばすために、どのような工夫をされていますか?
一番大きかったのは、アニバーサリープランを基本的に直販だけで受けていることです。もともと誕生日利用でこういうことはできますかというお問い合わせがOTA経由でよく来ていたので、2026年の4月頃からプラン化してCHILLNNだけで販売するようにしました。
今は平均週2〜3件くらいのペースで予約が入っていますし、プロポーズ利用も3件くらい受けています。多い時は1日に3件くらいゲストの記念日をお祝いしている状態です。
▼直販のみで受け付けているアニバーサリープラン

他にもオプション機能を使い、お抹茶と共に楽しめる特製の和菓子も、CHILLNNからの事前予約だとお得に注文できるようにしています。
▼オプションで選べる、宮津をモチーフにした特製和菓子

宮津の編集者・案内人としてのホテルでありたい
ーー今後、mizuyaをどんな宿に育てていきたいですか?
泊まれるホテルとして一流を目指すことはもちろん、今後は「地域に根ざしたローカルのメディアとしてのホテル」というところを極めていきたいと思っています。
地域に存在している魅力を我々ホテルがキュレーション・再編集して、旅人にも地域の人にも届けて、みんなでこの町を楽しむ。そういうハブとしてのホテルになっていきたいですし、ホテルであると同時に、この地域に住む・旅をする人たちと一緒に作る編集者、案内人という立ち位置でいたいと、ずっと思っています。
▼各客室の水屋

開業1年で飛躍的な成長をあげたmizuya。今も地域と深く関わる魅力的なプラン・イベントを数々打ち出していますが、さらに「メディアとしてのホテル」としてユニークな挑戦をしていくのを楽しみに、今後もご支援していきます。
Editor

佐々木 みいむ
取材/執筆
CHILLNN フィールドセールス。ブランディング会社での経験を活かし、宿泊施設への導入提案から、運用開始後のサポートまでを担当。

小林 実可子
執筆/撮影
CHILLNNリサーチャー。マーケティングリサーチ会社での経験を強みに、各種コンテンツ制作を担当。
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