
OTA上位でもAIには選ばれない。2076施設調査でわかった"AI推薦ホテル"の条件
CHILLNN AIO Labの調査により、OTAで上位表示されているホテルの半数以上(50.4%)は、AIに一度も推薦されていないことがわかりました。
CHILLNNは2026年3〜4月、日本の6都市・2076施設を対象に、AIに推薦されるホテルの条件を調べる国内初の大規模調査を実施しました。その結果わかったのは、AI推薦のカギを握るのはOTAの順位ではなく、複数チャネルでの露出と第三者による良質な口コミだということです。
本記事では、その調査結果と、ホテル経営者が今から着手すべきアクションを解説します。
この記事のポイント

✓ AIO対策はOTA対策とは別物で、AIO対策できているホテルは非常に少ない
✓ AI推薦を左右するのは複数チャネルへの露出と口コミの質
✓ AI推薦されやすい施設は自社発信より「第三者の声」で語られている
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向いている人:
OTA施策には投資しているが、AI検索経由の集客に伸び悩みや不安を感じている宿泊施設の経営者・マーケティング担当者
生成AI時代の集客戦略(AIO/LLMO)をデータに基づいて検討したい方
ホテル向けAIO施策の優先順位や効果を確認したい方
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AIO・プロンプトなど基礎用語から知りたい方(AIO用語集をご覧ください)
目次
- OTA上位でもAIには選ばれない。2076施設調査でわかった"AI推薦ホテル"の条件
- この記事のポイント
- この記事に向いている人
- 目次
- なぜホテルにとってAI検索(AIO)対策が必要なのか
- 調査手法と規模
- OTA上位のホテルはAIにも推薦されやすいのか
- AIに安定して推薦されるホテルの特徴は何か
- AI推薦ホテルのレビュースコアに特徴はあるか
- OTA上位でなくてもAIに推薦されるにはどうしたら良いか
- AIはどのサイトを引用しているのか
- 得られた示唆
- ホテル経営者は何から始めればいいのか
- まとめ:AIに推薦されるホテルになるために
- FAQ — よくある質問
- 用語集
- 調査の限界と留意事項
- AI検索を強化し、直販を増やしたい方のためのご相談会を実施中です!
なぜホテルにとってAI検索(AIO)対策が必要なのか
旅行雑誌、OTA検索、Googleマップ・Instagram…時代に応じて変化してきたホテル探しの手段に、ChatGPTなどの生成AIが新たに加わり、急速に広がっています。
Booking.comが2025年に実施した大規模調査では、回答者の3人に2人がすでに旅行に関してAIを利用しており、65%が近い将来、AIを使った旅行プランニングが主流になると予想しています。
日本でも変化は顕著です。JTB総合研究所の定点調査によると、生成AIによる情報検索は2024年から2025年にかけて約3倍に増加しました。2026年に旅行計画で生成AIを使った人のうち84.1%が「新しい発見があった」と回答し、半数以上がAIの提案先を実際に訪問したという宿研の調査結果もあります。
そこで2026年4月、CHILLNN AIO Labでは、Cloudbeds社の大規模調査を先行研究としながら、「日本ではどんなホテルがAI推薦されるのか」をテーマに、日本での体系的なAI推薦ホテル調査を国内で初めて実施しました。
調査手法と規模

2026年3〜4月に、日本の6都市・3つのAIモデル・3種類のプロンプトで計540のクエリを実行しました。
調査対象とした2076施設のうち、OTA上位*・もしくは3つのAIモデル(ChatGPT/Gemini/Perplexity)で推薦された・もしくはその両方に当てはまる869施設を分析対象としました。
*5種類のOTA(じゃらん、楽天トラベル、booking.com、一休、Googleマップ)のうちいずれかで30位以内に入った場合に「OTA上位」と定義しました。
以下に、その調査結果をご報告します。
OTA上位のホテルはAIにも推薦されやすいのか

OTA上位30位以内に入った720施設がAI推薦されるか調べたところ、半分超の50.4%(363施設)は、AIに一度も推薦されていませんでした。
また、OTA上位かつAIで安定して推薦される宿泊施設はわずか8.5%(61施設)。ごく限られたホテル・旅館のみがAIに「発見されやすい」現状が見てとれます。
AIに安定して推薦されるホテルの特徴は何か

OTA上位であるかどうかに関わらず、安定してAIに推薦された宿泊施設(以後、AI推薦ホテルと呼びます)がどんなサイトに掲載されているかを確認しました。
その結果、すべての施設が自社サイトとInstagramアカウントを保有し、主要な海外・日系OTAへの掲載率も90%を超えていました。
この結果からは、自社サイトと一部のOTAだけに注力するのではなく、複数のプラットフォームやSNS、YouTubeに積極的に露出し、戦略的にブランドを構築する必要があると考えられます。
なお、海外の口コミサイトReddit(61%)の掲載割合が先行研究(95%)より大幅に低い点は、日本市場ならではの特徴といえます。
AI推薦ホテルのレビュースコアに特徴はあるか

AI推薦ホテルのレビュースコアを調べたところ、主要なOTA・口コミサイトで、8.5点(10点満点に換算)以上の高スコアを得ていることがわかりました。
一方で、平均レビュー数は150〜2,062件と大きく幅がある結果です。口コミの数がさほど多くなくても、レビューのスコアと質が高ければAI推薦されうることを示しています。
OTA上位でなくてもAIに推薦されるにはどうしたら良いか
これまでの結果から、OTA上位のAI推薦ホテルはOTA施策を含むマーケティング全般にコストを割ける施設だと予想されます。では、マーケティング予算が限られた小〜中規模施設はどうすればAIに推薦されやすくなるのでしょうか。

OTA上位ではないもののAIに安定して推薦されるホテル(以後、AI特化型ホテルと呼びます)が13件存在しました。このホテルの特徴を調べると、下記のことがわかりました。
口コミサイト、特に海外の口コミサービスRedditで言及されていることが多い
大手OTA、特に旅行代理店JTBには掲載されていないことが多い
ここから、第三者の口コミ創出・管理に力を入れることで、大手OTAや代理店に割けるリソースが限られていてもAIに推薦されやすくなることがわかります。
AIはどのサイトを引用しているのか

引用シェア上位3ドメインはグローバルOTA・口コミサイト(tripadvisor.com、booking.com、expedia.co.jp)でした。海外の先行研究と完全に一致する結果です。
4位以降には国内OTAや旅行会社、格付けメディアが並ぶという、日本ならではの傾向も見られます。
ジャンル別に分類すると、どのようなサイトがよく引用されるのでしょうか。

OTAの引用率は22.1%。他には編集メディア(17.8%)や UGC・口コミサイト(13.8%)などがよく引用されました。OTAの掲載も影響がありますが、icottoやyoutube、tripadvisorなど編集メディア・口コミサイトへの露出が重要であることがわかります。
さらに海外の先行研究と異なり、本調査では HP 公式サイトが0.24%とほとんど引用されず、先行研究の13.6%と乖離がある結果でした。
得られた示唆

AIO対策は今が伸び代のあるタイミング:本格的にAIO対策に取り組んでいるホテルはまだ少なく、早期に着手すれば先行者優位を得やすい状況です。
AI推薦を左右するのは複数チャネルへの露出と口コミの質:AI推薦ホテルは多様なサイト(特に口コミサイト)に露出している傾向がありました。またレビューの数よりも質が重要です。
AI推薦されやすい施設は自社発信より「第三者の声」で語られている:第三者が魅力を発信している旅行メディアやまとめ記事が多く引用されました。公式発信よりも編集メディア・口コミの情報が優先的に引用される傾向があります。
OTAはお客様との接点を増やすために強力な手段ですが、手数料が負担になるだけでなく、OTA対策だけに投資を続けた場合、将来的にAI推薦から漏れるリスクがあると私たちは考えています。早めのAI対策が望まれます。
ホテル経営者は何から始めればいいのか

優先度が最も高いアクションは、ゲストからの口コミ投稿を促し、返信・対応で質を上げることです。ついで、編集メディアや口コミサイトへの掲載を増やしましょう。
まとめ:AIに推薦されるホテルになるために
少なくとも現在の日本では、AIに推薦されるホテルになる条件は、OTAの順位ではなく、複数チャネルでの露出と第三者による良質な口コミです。
当面は「編集メディアや口コミサイトにAIが読めるコンテンツを増やすこと」が主な戦略になると私たちは考えていますが、AI推薦はまだ伸び代のあるフィールドであり、今後の流れを注視する必要があります。
今回の調査で見えてきた構造は、あくまで入口です。私たちは、実際のユーザーはより具体的な問いをAIに投げかけるだろうという仮説を持っています(例えば「思い出に残る記念日旅行のために淡路島で2人で10万円以下で泊まれるホテルを探して」など)。そして、そのニーズに応える施設としてAIに発見されるには、施設独自の訴求軸を明確にし、公式サイトを中心にAIが読める形・読める場所に置いておく必要があると考えています(追加調査の結果はこちら)。
数年後のAIホテル検索でのポジションを獲得するために、今から始められることは数多くあります。
FAQ — よくある質問
Q. ホテルがAI検索で表示されるにはどうすればよいですか?
生成AIに安定して推薦されるホテルには、TripAdvisorをはじめとする予約サイト・口コミプラットフォームでのレビュースコアが高いこと、旅行メディアやブログによる第三者コンテンツが豊富に存在することという共通点があります。まずは自施設について「どこにどんな情報が存在するか」を棚卸しすることから始めることをおすすめします。
Q. OTAに掲載していないとAI推薦には選ばれませんか?
選ばれないとは限りません。本調査では、OTAに非掲載・低順位にもかかわらず、1つ以上のプロンプトでAIに推薦された施設が149施設ありました。OTA掲載の有無そのものよりも、OTAを含む第三者コンテンツでどれだけ露出され、魅力が紹介されているか(旅行メディア掲載・口コミ対応・SNS言及)がAI推薦に影響すると考えられます。
Q. YouTubeやSNSに投稿すればAIに引用されますか?
一定の効果は見込めます。本調査ではYouTubeの引用率が全ドメイン中6位と高い順位でした。ただしAIはテキストでユーザーに推薦を行うため、動画の概要欄・字幕・テキスト記事との連動が効果を高めるポイントです。あわせて、宿泊者など第三者による発信を促す施策のほうが、AI推薦にはより効果的だと考えられます。
Q. 「ホテルのAIO対策」と「SEO対策」は別々に行う必要がありますか?
基本的には、従来のSEO基盤の上にAIO最適化を積み重ねる形が現実的です。Google AI Overview引用の97%が、Google検索の上位20位以内にすでにランクインしているページから発生しているというsemrushの調査結果があります。ただし、FAQ形式・構造化データ・第三者権威コンテンツといったAI最適化特有の要件は、SEOとは独立した投資として考えることが長期的には効果的です。
Q. 独立系の旅館・小規模ホテルでもAI対策は意味がありますか?
意味があると考えられます。hotelrankの調査によれば、ラグジュアリーセグメントでは独立系施設が58.4%の推薦シェアを獲得しています。私たちは、ニッチなプロンプトになるほど独立系・小規模でユニークな施設がAIに推薦されやすくなるという仮説を持っており、今後さらに調査を進めていく予定です。
用語集
「AIO」「プロンプト」「引用率」などの基本用語は、別記事「【保存版】押さえておきたいAIO用語集24選」で解説しています。あわせてご覧ください。
調査の限界と留意事項
本調査は特定期間の観測データに基づく相関分析であり、AIの将来の振る舞いを保証するものではありません。
得られた結果はあくまで相関関係を示すものであり、AIの特性上、直接的な因果関係を証明するものではありません
AI技術は日々アップデートされているため、本調査の知見は「今の記録」であり、将来の推薦傾向を予測するものではありません
推薦のパターンは、対象業界・地域・質問の仕方・時期によって流動的に変化する可能性があります
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公開日:2026年6月11日
最終更新日:2026年8月28日
Editor

小林 実可子
執筆/撮影
CHILLNNリサーチャー。マーケティングリサーチ会社での経験を強みに、各種コンテンツ制作を担当。
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