
愛知県岡崎市、市内で一番古いカメラ屋をリノベーションして生まれたのが、客室6部屋のOkazaki Micro Hotel ANGLE(アングル)です。2020年の開業と同時にCHILLNNを導入し、自社サイトの予約フォームを見直して、予約ボタンからCHILLNNへとつなぐ仕組みに一本化してきました。
水回りが共用であることや部屋の音が伝わりやすいといったリノベーション物件ならではの特徴を、CHILLNNの事前質問機能で丁寧に伝えることで、スピード重視のOTAでは起きやすいミスマッチを防いでいるといいます。地域と旅人、2つの視点を掛け合わせる宿づくりのストーリーを聞きました。
Okazaki Micro Hotel ANGLEについて
愛知県岡崎市に位置するマイクロホテル。2020年開業、6室。インタビューしたお相手:
飯田圭さん(オーナー)
平良涼花さん(マネージャー)
▼左:飯田さん 右:平良さん

視点を変える宿、「ANGLE(アングル)」
ーー「ANGLE」という宿名とコンセプトについて教えてください。
岡崎市内で一番古いカメラ屋だったビルをリノベーションして宿を作りました。僕自身、県外から岡崎に移住して、外の目線で街を見てみると、地域の方が当たり前だと思っているものがすごく面白く見えて。ちょっと視点を変えるだけで日常がもっと豊かに感じられるなと思って、カメラ用語の"アングル"、視点を変える宿になろうというところでコンセプトを決めました。
外から来る旅人の"ハイアングル"的な視点と、地元の人の"ローアングル"的な視点、その2つが掛け合わさることで街の解像度が上がったらいいなという思いもあります。
ーー宿づくりで意識されていることはありますか?
1階のチェックインスペースをあえて奥に置いて、手前の広いスペースを地域の方と宿泊者が混ざり合う空間にしています。館内のインテリアも、地元の事業者さんとコラボしたものだったり、タオルを洗う洗剤ひとつまでこだわって選んでいて。全部は説明しきれないので、それをまとめた冊子「Story Interior of ANGLE」を各部屋に設置して紹介しています。
▼1階のラウンジ

▼「Story Interior of ANGLE」などを見せてくださいました

CHILLNNは定性的な表現ができる予約システム
ーーCHILLNNを知ったきっかけを教えてください。
最初は自社サイトのワードプレスに組み込んだフォームで予約を受けていたんですが、それだと手動での管理がすごく多くなってしまって大変でした。OTAだと定性的な部分、私たちの思いやこだわりみたいなものが表現しきれないのがずっと引っかかっていて、あまり使いたくないなと思っていたんです。CHILLNNはSNSで知って、ANGLEの思いや定性的な部分が表現できるところがすごくいいなと思いました。
また、ANGLEは水回りが共用だったり、もともと住居だった部屋を客室に改装しているので音が聞こえやすかったりする宿なんです。OTAだと予約に至るまでのスピードだけにフォーカスされていて、そういう部分を伝えきれないまま予約が進んでしまい、いざ来てみたら「えっ?」となってしまう、ミスマッチが起きやすいなと感じていました。CHILLNNなら事前質問の機能でそうした宿の特徴もちゃんと伝えることができますし、事前にご理解いただけるというところもCHILLNNを選んでいる大きな理由の一つです。
▼ANGLEのお部屋

ーー導入後、手間やミスマッチは減りましたか?
1年半くらい前に、自社サイトの予約フォームを見直して、HPの「BOOKING」ボタンを押したらCHILLNNに遷移する仕組みに変えたんです。手動での管理がぐっと減りましたし、事前質問の機能で水回りや設備のことも事前にお伝えできるので、ミスマッチが起きることがぐっと少なくなりました。
そのうえ、到着予定時間に遅れそうな時にわざわざお電話をくださる親切な方も多くて、無断キャンセルもほぼありません。

地域に寄り添うプランで直販率6〜7割を実現
ーー稼働率や直販率の実績を教えてください。
コロナ期に開業したので最初は苦労しましたが、徐々に増えてきています。ANGLEを目的に来てくださる方がほとんどで、リピート率もかなり高いです。
稼働率は年間平均で4割5分くらい、繁忙期は6割ほどになります。直販率は6〜7割です。
ーー代表的なプランはありますか?
名古屋の.LAB RAINROOTSさんと連携した、街とフィルムカメラに親しむプランです。オリジナルのフィルムを入れたフィルムカメラをお貸しして、滞在期間中に撮ってもらい、後日プリントした写真をお家へお送りしています。元カメラ屋という文脈にも合っていますし、カメラを持って街を歩くと視点が変わるので、そういう滞在の仕方をしてほしいなと思って。帰ってからも旅の記憶を思い出せるのがいいですよね。
ーーベビーシッター付きプランも人気だと伺いました。
元ANGLEスタッフで独立して今はシッターサービスを展開している方と連携して、滞在中に、日夜問わずお子さまを3時間お預かりするプランを用意しています。事前にオンラインで面談もしているので、初めての方でも安心して預けられると思います。3年連続で一棟貸切とシッタープランを予約してくださるご家族もいて、1年後の予約が入ることもあるんですよ。
ーー他に販売面で工夫していることはありますか?
県内、あるいは岡崎市内に住んでいる方も泊まりに来てくださることが多くて、そういう方向けにご近所割プラン(こちらなど)を作っています。
また、知人が遊びに来た時に一棟貸切で使ってくださる方もいます(プランはこちらなど)。6部屋しかないので、そういう使い方もできるんです。
▼多様なプランを販売しています

ーーCHILLNNを使ってみて特に気に入っている機能はありますか?
マガジン機能の更新のしやすさですね。文章を書いて感覚的に流し込めるので、私だけじゃなくアルバイトのスタッフでも使えるんです。「こういうプラン作りたいです」とスタッフが提案してくれて、最後の確認だけ私がする、というふうに分担できるのがすごくありがたいです。
あとはGoogleビジネスプロフィールから公式サイトとして表示されるようになったのも嬉しくて。そこ経由でお客様が来ているかまでは把握できていないんですが、他の情報に埋もれず自分たちの言葉が届く場所があるのは心強いです。
▼公式サイトとしてCHILLNNの予約画面が表示されます

ーーオプションについてはいかがですか?
オプションではお土産を販売しているのですが、買ってくださる方も何人かいらっしゃいますね。予約時点でお土産を確保しておけることが便利、という方もいます。
地元の事業者とコラボしてオリジナルのブレンドティーをつくり、販売しているということを予約時に知ってもらうことで、ANGLEが大事にしていることが伝わるといいなと思っていて。
宿のインテリアやアメニティにこだわっているところが多すぎて、お客さまが滞在される期間中に直接お話できないものもあります。予約の段階で、お土産の選択肢としてANGLEのブレンドティーがあるということが見えているだけでもいいなと思っています。売上というよりは、まず知ってもらうきっかけになればという気持ちが大きいですね。
▼オプションでブレンドティーを販売しています

街のメディアであり続けたい
ーー今後、宿としてどんな姿を目指していきたいですか?
街のメディアであり続けたいなと思っています。街も少しずつ変化していくと思うんですが、僕らの視点でちゃんとそれを捉え続けて発信していくこと、地域の方々ともきちんと協業していくことを、ぶれずにやっていきたいですね。
お客様には街や街の方との関係性を築いてほしいなと思っていて。街の暮らしに触れてもらって、そこがいいなと思って通ってもらい、農家さんの手伝いやイベントへの参加など関係性が生まれ、いずれは移住というところまで流れが作れたらいいなと個人的には思っています。地元にも宿泊者の方にも、もっと愛される場にしていきたいですね。
ーー宿泊業以外の取り組みもあるそうですね。
「ANGLE編集室」という、地域の事業者の新規事業やプロダクトを一緒に作ったり、会社やお店や地域を見つめ直し発信したりするような編集の仕事も両輪でやっています。いい店や事業が地域にたくさん残っていくかどうかに、宿としてどう貢献できるかを考えていて。そこがなくなると地域の文化がなくなるし、それらを紹介する僕らANGLEの存在意義も危ぶまれると思っているので。
ーー(平良さんへ)地元出身のマネージャーとして感じていることはありますか?
私は岡崎が地元なんですが、地元の人は「岡崎はいい街」と思っていても、旅行や宿泊で来る場所だとはあまり思っていないんです。でも外から来た方が「この町中華の餃子が最高」と言ってくださると、地元の人も「え、そうなの?」と街を見る目が変わっていく。そういう積み重ねが、いい街やいい店が残っていくためにすごく大事だと思うので、地元の人にもこの街の良さが伝わる手段としてANGLEがあり続けられたらいいなと思っています。


旅人と地元の人の視点をつなぐ宿を作り上げてきたANGLE。その丁寧な宿づくりに惹かれるお客様は、これからも増え続けるはずです。ANGLEが岡崎の街とともにますます愛される場所になりますよう、心から応援しています。
Editor

佐々木 みいむ
取材/執筆
CHILLNN フィールドセールス。ブランディング会社での経験を活かし、宿泊施設への導入提案から、運用開始後のサポートまでを担当。

落合 拓史
取材
CHILLNN ジェネラルマネージャー。セールス・カスタマーサクセスを統括。

小林 実可子
執筆/撮影
CHILLNNリサーチャー。マーケティングリサーチ会社での経験を強みに、各種コンテンツ制作を担当。
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