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2026年6月10日、CHILLNNで「実践から学ぶ!ホテル直販を強化する宿泊プランとSNS活用」と題したオンラインセミナーを開催しました。
ゲストは、長崎県雲仙市のスモールホテル「海から」のマーケティングを担当するhoteltree代表の田中幹人さん。「海から」の直販比率は現在54.6%と高い水準を誇ります。
OTA依存からの脱却を目指し、プランの設計からSNS運用・数値管理まで試行錯誤してきたリアルな実践知を、惜しみなく話していただきました。
当日は200名以上の方にお申し込みいただき、Q&Aでも多くのご質問をいただきました。この記事では、セミナーの中から特に反響の大きかったポイントを4つピックアップしてご紹介します。
イベント概要
テーマ: 実践から学ぶ!ホテル直販を強化する宿泊プランとSNS活用
開催日:2026年6月10日
登壇:
ゲスト:hoteltree代表・田中幹人氏
聞き手:CHILLNNマーケティング担当・藤田真菜事例施設: 海から(長崎県雲仙市・2024年にグランドオープンした5室のスモールホテル)
[予約サイト]背景:創業350年以上の老舗旅館「伊勢屋」の別館として2024年にオープン。本館と設備やターゲットが異なるため、OTA依存ではなくSNS×直販での集客体制を独自に構築。
ポイント1. プランは「施設の特徴」「利用目的」「マイナスの逆転」の3つの視点で考える
田中さんが「海から」でプランを作るときは、3つのポイントを意識しているそうです。
ひとつ目の視点は「施設の特徴を活かす」こと。「海から」に併設された週末限定のカウンター8席のお寿司屋さんがあるという特徴を活かし、「寿司オーベルジュプラン」として打ち出しています。「寿司ディナー付き」という表現もできますが、あえて「オーベルジュ」という言葉を使うことで特別感が生まれ、「どんな体験なんだろう」という興味のフックになる、と田中さんは言います。

2つ目は「利用目的からサービスを作る」こと。田中さんはご自身で朝食対応を行い、お客様と話す中でお祝い利用が多いことに気づきました。そこで、地元の洋菓子店と組んで「海から」オリジナルのケーキを作ってもらい、アニバーサリープランを提供することに。
アニバーサリープラン自体はどのホテルにもありますが、「自施設なりのちょっとの”差”」を作ることでここに泊まりたいと思ってもらえる理由になるそうです。

3つ目は「マイナスをプラスに捉える」こと。梅雨の時期は外出したくないという一般的なマイナスを、「お部屋でゆっくり過ごせる」に転換し、「凪書店」という仮想の本屋さんの屋号を設定。選書された本をお部屋で楽しめるという有料オプションに昇華しました。
地元のイラストレーターにロゴを依頼し、地元の独立書店に選書を頼むなど、社外のリソースを使いながら「単発プランではなく季節ごとなどのシリーズになるコンテンツ」として育てているのもポイントです。

CHILLNNは文章と写真を使って雑誌のようにプランの紹介ページを作成することができます。ゲストの予約の決め手となるこのページを丁寧に作り込んでいらっしゃることでゲストの期待を適切に高めることができます。
ポイント2. 集客導線は「逆から設計する」
SNSを使って直販を伸ばそうとするとき、多くの方がThreadsやInstagramの投稿内容から考え始めがちかと思います。ところが田中さんの実践している順番は逆でした。
まず予約サイト(例えばCHILLNN)で「施設のウリ」と「予約ページ・プラン・オプション」を整える。次にそのプランの世界観が伝わるInstagramページを作る。そして最後に、Threadsでそのウリを発信していく——という順番で設計するのが正解だと言います。

この考え方の背景には、「発信から始めると、到達したお客様を受け止める器がない状態になってしまう」という問題意識があります。せっかく興味を持ってくれた人がInstagramを開いても施設の魅力が伝わらない、予約ページを開いても何を選べばいいかわからない、という状態では、いくら投稿を頑張っても予約にはつながりません。
ゲストが予約動線に入る時はこの逆の順序を通ります。つまり、threadsで認知して興味をもち、instagramの施設ページで比較検討を行い、予約サイトに移って最後の検討・予約を行う。一見シンプルなようですが、ゲストの行動に沿った集客導線の設計が重要です。
CHILLNN、Instagram、Threadsそれぞれのポイントも教えていただきました。たとえばInstagramのリンク先はCHILLNNの予約ページのみに絞ることも、田中さんが実践していることのひとつ。「リンクが複数あると情報が増えて離脱率が上がる」という理由からだそうです。

ポイント3. Threadsは「投稿文でターゲティング」ができる
田中さんは認知拡大のためのSNSとしてThreadsを活用しています。その理由は、テキスト中心なので動画等と比べると制作コストが低く、1日複数回投稿しても違和感がないこと、そしてフォロワー以外にも届きやすいアルゴリズムであることです。

なかでも田中さんが「面白い」と語っていたのが、投稿文の内容によってターゲット層へのリーチが変わるという点でした。「台湾の高雄の方に向けて書いた投稿をしたら、翌日に高雄からCHILLNN経由で予約が入った」という実例を紹介していただきました。アルゴリズムが投稿の文脈を読み取り、関連する地域や属性のユーザーに届けてくれたと考えられます。
一方で「1投稿の数字に一喜一憂しない」ことも強調されていました。内容・写真が似た投稿でも、1.8万回表示される日もあれば2,800人にしか届かない日もある。重要なのは継続して投稿し続けることです。

投稿ネタに困ったときは、施設の構成要素をリスト化しておくことがお勧めだそうです。例えば「レストラン・ホテル・共有部」という大枠を作り、それぞれの構成要素(器・グラス・お酒・照明など)まで洗い出しておけば、「今日は何を投稿しよう」と悩まなくなります。
ポイント4. PVとCVRを数字で追い、ボトルネックを特定する
直販強化の取り組みを「なんとなく続けている」状態から脱するためには、数字を追う仕組みが必要です。田中さんが実際に管理しているのは、Threads PV → Instagram PV → CHILLNN アクティブユーザー → 予約件数という一連のファネルです。

ある期間のデータでは、Threads 15万PV → Instagram 5.3万PV(転換率35%)→ CHILLNN 4,559アクティブユーザー(転換率8.6%)→ 予約115件(転換率2.5%)という数字が出ていました。このように可視化することで、「Instagramまでは来ているのに予約につながっていない」「そもそもThreadsからInstagramへの流入が少ない」といったボトルネックが特定でき、次の打ち手が明確になります。
海外のベンチマークサービス「ホテルベンチマーク」によると、独立系ホテルの平均予約コンバージョンは0.73%、ホテルグループは1.9%。参考指標をもち自施設の数字と比較することで改善の方向性が見えてきます。CHILLNNの場合は、Google Analyticsを設定いただければ無料でこれらの数字を確認できるので、設定がまだの方は最初の一歩としておすすめです。
まとめ
「誰にどんな理由で泊まってもらうか」を先に設計し、そこから逆算してプランを作り、導線を整え、発信する。数値を見て調整する。田中さんの実践から見えてきたのは、ゲストのニーズと行動を踏まえた導線づくりと地道にPDCAを回す大切さです。特に、SNSの投稿数を増やすことより受け皿をしっかり作ることの方が先、という点は、直販強化に取り組む宿泊施設にとってはすぐに確認できるポイントではないでしょうか。
「5月時点で直販比率54.6%、8月末に60%を目指している」という田中さんの言葉が印象に残りました。目標を数字で持ち、ファネルを追いながら改善を続けるという姿勢そのものが、再現性のある直販強化の本質だと思います。
田中幹人さんについて
X: https://x.com/mikito_tanaka
note: https://note.com/mikito_tanaka

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